アイドル絶対殺戮戦線
終いには私も根負けして、音葉が近くにいることを許していたのだけれど、そんな音葉が2年に上がったある日突然近づいてこなくなった。


「最近ロックとかドッグとかバカみたいなこと言わなくなったじゃない〜?」


と私が煽っても、


「う、うん、まぁね……」


と控えめに笑うばかりだ。


そんな音葉が私はおもしろくなくって、しばらくはうざったいくらいに絡みに行ったこともあったけど、レッスン続きの忙しい日々にしだいに音葉のことを忘れていった。


――2年ぶりにまともに顔を合わせる機会がまさか、命をかけた試合だとは思わなかったけれど。


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