アイドル絶対殺戮戦線
その子は、1番赤穂さんに陶酔していた女の子だった。


騎士様のイメージを勝手に崩されて、我慢ならなかったのだろう。顔を真っ赤にして反論している。


――と、


「私がお話いたしましょう」


それまで黙りこんでいた堂々が沈黙を破った。


「赤穂さんは人気に味をしめていたのではありません、やめたくてもやめられなかったのです。


 1年生のときはC組でもパッとしない存在だった彼女が、2年にあがり突然A組に上がった理由、みなさんご存知ですか?」


「――やめて!」


赤穂さんの鋭い叫び声があがった。


だけど堂々は、表情ひとつ崩しはしない。


「やめません。ですが、あなた自身の声で真実を伝えたいというのであれば、私がわざわざ話すことでもないでしょう」
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