先生！好きだからっ！！～どうしたって忘れられない人はいるものです～

ダッシュボードに置かれたままのスマホがブルブル振動していた。

なんとなく…
ほんとになんとなく画面に目をやってそれが女性の名前であることに気づいた。

『えりな』

えりな…？

彼女？かな？

うん…きっとそうだ…よね…

結構長めにしばらく振動していたけど、突然その音が途絶えて静けさが訪れた…

と、同時に車の扉が開いた。
タバコのにおい…
コンビニ前で一服してきたのだろう…

「悪いな。待ったか？」

そして、運転席に座ってシートベルトをはめながら、わたしにポンッとアイスコーヒーのボトルを投げた。

「昔と同じ好みだったら甘いのかなと思ってそれにしたけど？」

「はい。ありがとうございます。」

実際わたしは甘党で…コーヒーも甘いのが好きだ…。
何もかわってない…。

覚えててくれたんだ…