先生!好きだからっ!!~どうしたって忘れられない人はいるものです~
タクシーで利便性のいい駅まで行けばとりあえずなんとか間に合った。

富永コーチと菱沼くんに休みってこと伝える。

「え?伊奈も風邪?」

「はい。熱あるらしいです。」

「へえ…鬼の撹乱だな…」

「はぁ…」

で、わたしは女バレの方に向かう。
予想以上のみんなの大歓迎にちょっと面食らいながらも嬉しいわたし。

「二階堂先生。もう熱ないの?」

「うん。心配かけたね。」

「ならよかったよー。」


その日はみんなもあんまりわたしを動かさせてくれなくて、自分たちで動くからいいと言ってくれたので、わたしはいつもより楽だった。

練習後の自主練も帰れとうるさいので、残らず帰ることにする。

念のため男バレのほうに寄ってみると、

「二階堂ちゃんもういいのー?」

と、休憩中の選手たちが声をかけてくれた。

「うん。すっかりね。」

「で、伊奈っちにうつしちゃったんだー。」

「え?」

「いつのまに?」

男子たちがなんとなく含み笑いをしてる。

< 137 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop