先生!好きだからっ!!~どうしたって忘れられない人はいるものです~
「伊奈先生ね…。あ…ならさ。俺の買ったとこ、紹介したげるよ。俺のゼミの先輩がさ、車のディーラーで、そこから買ったの。この車。行ってみる?」

瀬戸口さんの先輩なら安心だろう…
けど…伊奈先生がこの間…言ってくれてたし…

どうしよう…

ぼーっと窓の外を眺めながら考えてるわたしの目に、衝撃の光景が飛び込んできた。


え…?


今車が走ってるのは、市街地のショッピングモールがたくさんあるような場所だ。
当然道を行きかう人たちは多い。

夕方のこの時間帯は、今から帰る人たちと、これから夜の街へ繰り出す人たちであふれている。
その中に…見つけた。

やっぱり見つけてしまう…

どこにいたってわかってしまう…

伊奈先生…
と…

その腕にぶらさがるひとりの女性…


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