先生!好きだからっ!!~どうしたって忘れられない人はいるものです~
「これから部活?」

「はい。瀬戸口さんもですよね?」

「うん。ま、サッカー部なんて野郎ばっかだし楽しくないけどね。」

大学の時とかわらない人懐っこい笑顔を向けると、わたしの肩に手をポンっと置いた。

後ろに束ねたわたしの長い髪が少し揺れた。
髪を伸ばし始めて4年になる…もうかなり伸びた…。

「じゃね。また!」

そして手を挙げると足早に去っていく…

あの笑顔で何人の女性を落としてきたんだろ…

高校まではサッカーを本格的にやっていたと言っていたから、今でも体はひきしまっているし…
イケメンのくせに人懐っこいから当然モテモテ。
女子高生たちにもキャーキャー言われている。

かろやかに歩くその後姿を見ながら、はぁーとため息をついた。

「おい。何ため息ついてんだ?」

でた…

「おい。こら。」

わたしはかたくなに声の主を見ないですませようとしたけど、ダメだったらしい。

コツンと頭の後ろからこぶしがとんできた。

「いたっ…」

仕方なく振り向く。

< 2 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop