先生！好きだからっ！！～どうしたって忘れられない人はいるものです～

一時期は彩のことを狙ってんのかと思ってた瀬戸口は、今でもそれなりに遊んでるらしい。

まぁ結局、瀬戸口の背後にいた大智ってやつのほうが大物だったわけで、彩の彼氏だと名乗ったときは、もう俺の出る幕はないとあきらめかけていたほどのやつだ。

あの男は彩を愛しているのはわかっていた。

彩はそういうわけではなさそうだったけど、なんとなく感じる2人の絆みたいなものは、今でも俺を嫉妬に狂わせそうになる。

そんな大智という男は、今はまたアメリカ西海岸に住んでいて、

「ようやく彩実ちゃん吹っ切って、ほかの女性とやってく気になったみたいっすよ。」

とこの間瀬戸口が言っていた。



えりなはといえば…半年に1回くらい、俊哉から連絡がくる。

『姉は落ち着いていますよ。彩実さんの全国出場の話を聞いてうれしそうにしてました。今度、外出の許可がでたらまたバレーの試合観戦行くっていってますよ。』

俊哉は俺に直接は連絡してこない。
ほとんど彩に連絡をよこしている。

おそらく…
えりなが実のところ、彩のことを嫌いじゃなくて、むしろ好きなのだと思う。

人間として…きっとあの一直線なところが、えりなも好きなのだ。