先生!好きだからっ!!~どうしたって忘れられない人はいるものです~
「先生。あとちょっと自主練つきあってください。」

「わたしもやります!」

「お願いします!」

みんな熱心な子たち…
バレーに熱く生きてる…

青春だよね…

わたしも…そうだったよね…
あの頃は…


「じゃぁ…あと1時間。いくよ!」

わたしもギアをあげた。

サーブの練習をする子。

トスの練習をする子。

スパイクの練習をする子。

わたしはスパイクを打ちたいという子に向かってひたすらトスをあげていた。


「おい。サービスエースとりたいならな。」

そしたら後ろから聞こえてきたよく知ってるその声に、わたしは、はっと我に帰った。

「伊奈先生!」

女子部員たちが浮足立った声を上げた。

「おまえは右手のスナップの使い方がうまいからこうやってみろ。」

ひたすらサーブの練習をしてたその子が赤面しながら伊奈先生のアドバイスを受けている。

「……」

「はい!」

「あとおまえのトスはフェイントかけるときがわかりやすいから相手にバレる。もうちょっとわかりにくいように練習しろ。」

「はいっ!」

そしてひとりずつ声をかけていく伊奈先生。

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