先生!好きだからっ!!~どうしたって忘れられない人はいるものです~
あーこのまま…この腕の中で眠ってしまいたい…

そう思ってしまう…

そしたら楽になれるのに…

けれど、大智の腕の中でやっぱり頭に浮かんでくるのは伊奈先生で…

わたしは大智の腕の中から顔をあげた。

「大智。ありがとう。ちょっと楽になった…気がする。」

そして大智を見た。
大智の顔がうかがうようにわたしを見ている。

「ちょっと元気そうになってきたかもな。帰れる?ひとりで。」

「うん。大丈夫。」

大智が確認するようにわたしの顔をもう一度見ると、車から降りた。

「またいつでも聞いてほしかったらLINEして。消してないだろ?」

「うん。まぁ。消してない。」

そしてふって笑った。

「あ、よろしくな。今日から日本に住みますんで。」

「はーい。」

大智が右手を額にあげて敬礼のポーズをしたので、わたしもやりかえして、わたしは車を出した。


懐かしい…大智に今日は助けられた…

ちょっとは明日から頑張れるかも…


< 79 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop