先生!好きだからっ!!~どうしたって忘れられない人はいるものです~
「好きだな。おまえも。」

「え?」

ドキッ…
好き?

「バレーの鬼だな。相変わらず。」

あ…そっち…

「そうですか?大学4年間…一度もバレーなんてやったことなかったんですよ。これでも。」

「なら、再熱したろ?完全に。」

「どうかな…」

「してるよ。まぁいい。とにかく出ろ。閉める。」

そして、体育館を閉めて外に出た。

「着替えんのか?」

「そうですね…」

着替えないと電車乗れないし。仕方ない…。今から更衣室か…めんどくさいけど仕方ない…と思ってたとこだった。

「めんどくせーだろ?乗せてってやるよ。このまま帰れよ。」

「え?」

「車だよ。乗ってけ。」

「いや…それは…」

「いいから。」

「でも…」

「生徒はもういねーから大丈夫だ。噂になんてなんねーよ。」

「はい…」

そしてシュンとして伊奈先生のワンボックスカーに乗った。

そこまで言われて、断れるわけない。
と自分に言い聞かせる。

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