先生!好きだからっ!!~どうしたって忘れられない人はいるものです~
「バレー…好きなのかな?もう忘れちゃってたつもりなんだけど…」

なぜだろう…?
本音を先生に話してしまっていた…
なぜだか先生の話し方がいつになく…真剣だったからかもしれなかった。

先生から視線をそらして…
わたしは日誌に目を落とした。


「彩から…バレーを奪ったのは…俺だ…」

え?

突然…
先生が声を絞り出すように言ったので…びっくりしたわたしは顔を上げて先生を見た。

「って…何言ってるの?」

「ほんとは…俺が…あのときお前を突き放してればよかったんだ。」

先生は下を向いて吐き捨てるように言い放ち…そしてさらに続ける…

「彩が…バレーに対する興味を失ってくのを見ながら…どうしたらいいかわかんなくって…けど…俺自身の…気持ちも…整理つかなくって…お前が…必要だったから…」

え?
必要だった…って…?

「今更こんなこと言って…どうしようもないやつだけど…ごめん…彩…ほんとに俺…教師失格だった…」

伊奈先生は顔を上げてわたしを見ていた。
そして目を瞑った。

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