ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
どうしてそんなこと聞くんだろう?
なんか、見るからに肩を落として項垂れてる。
「………灯里が、その申周明と付き合ってると思ってた…。」
「…はい?え、何で⁇」
「大学で見かけたんだ。
ソイツが灯里の頬にキスしてるとこも見た。
入学して、すぐの頃だった。」
たしかに、申周明はすぐ頬にキスしてきた。
いや、正確にはキスじゃないけど…
「あれは、フランス式挨拶のビズだよ?
ほら、両頬に頬をつけて、耳元で“チュッ”って鳴らすだけのやつ。
実際には口は付けないの。
お母さんがフランス人で、小さい時からフランスにはしょっちゅう帰ってたみたいだからね。習慣なんでしょう。」
「…………」
「え、申周明と挨拶してるところを見て
私達が付き合ってると思ったの……?」
信じられない……
そんなに意識もしてなかったから、よく覚えてないけど、どう考えても挨拶だよね⁇
「たしかに、申周明は、一見フランス人の血が混じってるようには見えないけど……。
でも挨拶にしか見えないよね?
だって、大学構内でしてるんだよ⁉︎
文学部は医学部と違って、文化の違う人がいっぱいいるのに…。」
なんか、見るからに肩を落として項垂れてる。
「………灯里が、その申周明と付き合ってると思ってた…。」
「…はい?え、何で⁇」
「大学で見かけたんだ。
ソイツが灯里の頬にキスしてるとこも見た。
入学して、すぐの頃だった。」
たしかに、申周明はすぐ頬にキスしてきた。
いや、正確にはキスじゃないけど…
「あれは、フランス式挨拶のビズだよ?
ほら、両頬に頬をつけて、耳元で“チュッ”って鳴らすだけのやつ。
実際には口は付けないの。
お母さんがフランス人で、小さい時からフランスにはしょっちゅう帰ってたみたいだからね。習慣なんでしょう。」
「…………」
「え、申周明と挨拶してるところを見て
私達が付き合ってると思ったの……?」
信じられない……
そんなに意識もしてなかったから、よく覚えてないけど、どう考えても挨拶だよね⁇
「たしかに、申周明は、一見フランス人の血が混じってるようには見えないけど……。
でも挨拶にしか見えないよね?
だって、大学構内でしてるんだよ⁉︎
文学部は医学部と違って、文化の違う人がいっぱいいるのに…。」