ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
「……やっぱり、麗の言う通り、誤解なんだ。
よくまあ8年もの間、すれ違い続けたな。
でも………………灯里ちゃんは?
お前が操立ててたとしても、灯里ちゃんまで…………
その、操立ててる…か?」

そりゃ、普通の26歳なら…

「でも、健心が…」

「え? 健心⁇ 」

「あぁ。
…灯里は誰とも付き合ってないはずだって。
健心がいるのに、彼氏を作るはずがないって。」

「……あー。なるほどね。
お前、健心に足向けて寝られないな。
そうやってあの弟は姉さんを守ってきたんだ。」

…………本当だ。
参ったな……。
あの弟には一生頭が上がらないかも…。

「それで、どうするんだ?
昨日、どさくさに紛れて告白したのに、無視されたってことだろ?
しかも逃げて行った。」

…………その通りだよ。

「まあ、出来ることは1つだな。
誠心誠意謝って、誤解を解く。
誤解って、お前の方のだぞ。
わかってるのか?」

俺の方って…………
取っ替え引っ替えは事実だ。
いや、実際には何もやってないけど。
…………え⁉︎
そう言うことか⁉︎

「…………言えと?」

「当たり前だ。」

えぇ〜〜!
灯里に知られるのかっ⁉︎

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