ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
「しっ! 黙って聞いてね。

そう…。一生許せないと思うの。
それはね、なぜだかわかる?
……私がね、彬良のことが好きだからだよ。
彬良のこと、どうでもいいと思ってたら、
別に何をしててもいい。
でも、私が好きだから、
許せないの。
ムカつくの。
彬良の過去が気になるの。
私の知らない彬良がいると思ったら
すごく悲しくなるの。
8年も経ってるんだもん。
その8年、全部過去なんだから。
仕方がないってわかってても、
嫌なものは嫌なの。」

こ、これは…
俺、振られるのか…⁉︎

「ちょっと待って!
灯里、俺の話、聞いて⁉︎」

「ダメ。後でね。

…そう。過去はどうしようもないの。
でもね、彬良のこれから先の未来まで、他の女の子に譲れない。
彬良が好きだから。
ここから先は、私が彬良の1番になる。
もう絶対、余所見させないで、私だけ目に映るようにして、うーんと束縛してみようと思うの。
……彬良、どう思う?」

「あ、灯里‼︎
それ、本当か?
も、もちろんOKだ。
束縛?どんとしてくれ!
縛りまくってくれ!
余所見なんて、絶対しない!
灯里はずっと俺の1番なんだ。」

「フフフ…本当に束縛するって言って喜ぶなんて…。」

< 129 / 158 >

この作品をシェア

pagetop