ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
お殿様、開眼する
ん?
あれ、ここ…⁇
あぁ!
昨日、あのまま彬良のマンションに泊まったんだった。
そうだよ。
私、ついに彬良と……‼︎
ハジメテ同士だったけど、彬良がうーんと
頑張ってくれて、無事に事を終えた。
やっぱりちょっと、いやかなり痛かったけど、すごく幸せだ〜。
んん?
この手はなんだ⁉︎
さっきから、胸のあたりがくすぐったい。
「……んっ!
ちょ、ちょっと、彬良⁇」
「おはよう。灯里」
「おはよう……この手、何?」
「………んー。
隣に灯里がいる実感を得てる。
………すっげー柔らかい…。」
「バ、バカ!
朝っぱらから何をするのよ!」
「………灯里……。
俺、朝から元気なんだけど…。
てか、なんかさ。
多分弾みがついてるわ。
今まで修行僧してた時はここまでじゃなかったんだ。
俺、開眼したのかな。
ほら……」
そう言って、私の手を掴んで何か硬くて温かいものに触れさせる。
ぎゃっ!
こ、これって…
「な、何触らせててんの⁉︎ 」
「いや、現状を理解してもらおうと思って。」
「……ばか。
何が開眼よ。仏像じゃあるまいし。
……もう起きるよ。仕事だよ。」
起き上がろうとする私を、彬良が引っ張って寝かされ、さらに上から覆い被さられる。