ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
「え?誰かわかるの?
じゃ、出ないといけないんじゃ…」

「いい。出ない。」

ところが…

♪ピンポーン
♪ピンポン、ピンポン、ピンポーン


げ、連打⁇

これってまさか…

「彬良……身内じゃない?」

「たぶん、いや、確実に兄貴か麗さんだろ。」

「えぇ〜〜‼︎
ど、ど、どうしよう!
私、隠れる?」

「……バカ、知ってて来てるに決まってる。
多分、お前に会いに来たはずだ。
…………チッ、邪魔しやがって。」

え、何で私に?
なんで知ってるの⁇

「………健心じゃないか?
あの腹黒2人が連絡取り合ったんだ。」

腹黒って!

♪ピンポーン

あ、また!

「だぁ〜〜ったく、待ってろ。
追い返すから!」

あ、ちょっと!

「彬良! 服! なんか着てよっ!」

クローゼットに戻り、デニムシャツと膝丈のショートパンツを身に付けて、リビングへと出て行った。

その隙に、昨夜脱ぎ散らかした服やら下着やらを身に付ける。
うー、本当はシャワー浴びたいところだけど、
我慢我慢。

話し声?
インターフォン越しに揉めてるような…。

リビングへ出ると、話が終わったのか、彬良が項垂れてた。

「彬良? 大丈夫? 」

「……夫婦で来やがった。」

「え、修司先生と麗先生⁉︎ 」

♪ピンポーン

あれ、さっきと違う…

あ、住戸のインターフォン⁇

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