ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
お殿様の真面目な考察
灯里と籍を入れた。
マンションに帰れば、灯里がいる。
俺のために晩御飯を作って待っていてくれている。
最高だ。
めちゃくちゃ幸せだ。
一歩ウチの中に入れば、2人っきり。
触りたい放題だ。
帰宅して、手洗いうがいを済ませたら、灯里の後ろから抱きしめられる位置にいるのが俺の定位置。
重い
暑い
邪魔
なんと言われても関係ない。
一日中くっついていたいくらいなんだ。
さすがに社会生活があるから我慢している。
帰宅したんだ。
好きにさせてくれ。
なんだろう。
灯里から俺にだけ反応するフェロモンが出ているのだろうか。
初めて灯里を抱いた日からおかしいんだ。
ずっとくっついていたい。
逆になんで今まで、離れていられたのか、不思議なくらいだ。
入籍して初めての、俺の誕生日。
今日も帰宅後、べったり張り付く。
「彬良、もうすぐ出来るから、あっちで待ってて。」
「やだ。」
「やだって…子供みたいだよ。
彬良、重いんだから〜。」
「俺の愛は重いんだ。」
だから諦めてくれ。
「もう! 動けないでしょう?
あ、じゃあこれ運ぶの手伝って。
ほら、さっさと行く!」
追い出す気だな。
よし。
じゃあ交換条件だ。