ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
ヘタレなお殿様の高校時代
4月、晴れて高1となった俺。
体育館の前で母親と分かれ、
貼り出されたクラス分けの表を見て、1年1組の教室へと入った。
初めて出会うクラスメート達。
中学では勉強のしすぎで、友達らしい友達がいなかった。
ここでは勉強も励みつつ、友達を作ろう!
と柄にもない希望を抱き、内心ドキドキしていた。
コンタクトレンズデビューだってしたんだ!
出席番号順に決められた席に座る。
前の席は女子のようだ。
座っててもわかる。小柄な子だ。
女子に声をかけるのは、ハードルが高過ぎる。
そう思った俺は周りを見渡したが、離れたところに座る男子が数名、登校しているだけだった。
集合時間より、かなり早いからな。
仕方がない。
すると、前の席の女子が、クルッと振り返った。
「ね、廣澤彬良くんだよね?
廣澤先生のとこの次男さんの。
私のこと、覚えてる?」
は?突然なんだ?
どうやら、前の席の女子は俺のことを知っているらしい。
マズいぞ、俺。
全く覚えがない。
しかも、さっき表を見たのに、一つ前の名前なんて見てもいなかった。
体育館の前で母親と分かれ、
貼り出されたクラス分けの表を見て、1年1組の教室へと入った。
初めて出会うクラスメート達。
中学では勉強のしすぎで、友達らしい友達がいなかった。
ここでは勉強も励みつつ、友達を作ろう!
と柄にもない希望を抱き、内心ドキドキしていた。
コンタクトレンズデビューだってしたんだ!
出席番号順に決められた席に座る。
前の席は女子のようだ。
座っててもわかる。小柄な子だ。
女子に声をかけるのは、ハードルが高過ぎる。
そう思った俺は周りを見渡したが、離れたところに座る男子が数名、登校しているだけだった。
集合時間より、かなり早いからな。
仕方がない。
すると、前の席の女子が、クルッと振り返った。
「ね、廣澤彬良くんだよね?
廣澤先生のとこの次男さんの。
私のこと、覚えてる?」
は?突然なんだ?
どうやら、前の席の女子は俺のことを知っているらしい。
マズいぞ、俺。
全く覚えがない。
しかも、さっき表を見たのに、一つ前の名前なんて見てもいなかった。