ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
「腹減ったよ〜!
今、彬良に模試の結果見せてたんだ。
灯里、彬良が受験の相談に乗ってくれるって言うんだ。
学校は頼りないし、これから先、予備校に行ったとしても、大手だとなかなか細かい質問出来ないだろ?
それなら、彬良に世話になろうと思ってる。
いいかな?」

コイツ…淀みなくスラスラと…!
手には模試の結果もスタンバイしてる。
頭の回転早過ぎるだろ!

「……健心の今の成績なら、全く問題ないよ。
面接対策くらいじゃないか?
そこはいずれ練習しないとな。
まあ、まだ高1だし。
何か不安なことがあれば、その都度相談にのるよ。」

「え!そうなの⁉︎
彬良、いいの?
うわ〜健心、良かったねぇ!
先輩に聞くのが1番いいよね!」

灯里が安心したように、目を輝かせて笑っていた。



こうして、勉強の事で連絡を取り合うと言う名目で、健心とLINE交換をし、晩御飯をいただいた。

久しぶりに食べる灯里の手料理は美味い。
一人暮らしの俺には感動モノだ。

灯里達の母親は、文化センターの夜のお稽古があって、まだ帰宅したなかった。

灯里のバイトのある日と交互で仕事をを入れているそうだ。

ここの家は、健心のために動いている。

だからこそ、健心が2人のことを大切に思っているのもよく分かった。



もう絶対、離れない。
灯里の笑顔を、灯里の大切なものを、
俺が守っていく。









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