ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
兄嫁、爆弾を落とす。

「やだっ!可愛い‼︎」

フフフ…当たり前じゃない。
私の健心は最高に可愛いんだから!

顔の造りは明らかに姉弟とわかるくらい似ているんだけどね。

健心は私と違って、顎がシャープなの。

うちは亡くなった父が丸顔で、男性にしては小柄な体型だった。
つまり、私の体型は父親似。

母は若い頃、読者モデルをしてたこともあり、すらっと背が高く、シャープな顔立ちをしている。

健心の体型は母に似ている。
小さな頭に大きな目。
まだまだ少年らしさを残す、ひょろっとした身体。父譲りのふわふわの髪質が少しキツくなりがちな印象を和らげている。
うん。
天使だわ。

「平田健心です。
姉がいつもお世話になってます。
今日はご馳走になります。」

にっこり笑って挨拶する健心。

健心!100点だよ〜。

「綺麗な方だとは聞いてましたが、想像以上でした。とても妊婦さんには見えませんね。
修司さんは幸せな方です。」

「まぁ!ありがとう〜! 
さ、さ、座って注文しましょう!」

……健心………120点だよ。
我が弟ながら、大人の対応に感心だ…。

「健心くん。
なんでも好きなの頼んでくれていいから。」

「はい。ありがとうございます!
あ、俺のことは健心で。“くん”付けられると子供みたいでちょっと…。」

「ハハハ!そうだな。
じゃ、健心って呼ばせてもらうよ。」

あ、修司先生の心も掴んだな。
さすがは私の健心だ。

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