ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
幼馴染の女の子に一途なヤツで、本人はずっと長いこと付き合ってると思ってたんだ。
まあ、やる事もやってたし。
フットサルの試合にも毎回連れてきてたんだ。
誰もが付き合ってると思ってたんだけど、その彼女は、自分のことセフレだと思ってた。それも6年もの間。」

「え、それって……」

「うん。
本人曰く、恥ずかしくて、身体?いや態度で示していたらしい。
言わなくても伝わっているんだと思ったんだって。彼女も拒否しないから。
6年も続くセフレってのも、普通に考えたらおかしいんだけどな。
まあ、2人ともお互いが初めての相手だったから、普通がわからなくて。
で、その彼女は言葉がなかったがために、
自分は彼女じゃないと思ってた、と。」

「……で、その人どうしたんですか?」

どうした、健心。
興味あるの?

「うん。彼女のセフレ発言にショック受けて、速攻で指輪用意して、次の日にはプロポーズした。もちろん彼女は泣いて喜んで、それから、すぐ同棲して、2年後に結婚。」

「今は、私達の結婚式の直後に産まれた2人目の男の子と、家族4人で幸せに暮らしてるわ。」

< 71 / 158 >

この作品をシェア

pagetop