ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
「あ!結婚式の時、パンパンのお腹してた人か⁉︎
俺、聞こえたんだ。『なんか、下がってきた気がする』って。」

「おー、それだ。
あの後産気づいて、大変だったらしい。
藤田は披露宴に出るはずだったのに、急遽キャンセルだ。スピーチも頼んでたのにな。
まあ、仕方がない。お産の方が大事だ。」

へぇ〜、でも、幸せそうなご家族。
ん?なんか、健心、彬良を睨んでない⁇

あれ?麗先生も⁇

「フフフ…やる事やってても、言葉が足りないって言うだけで、彼氏彼女と思われてなかったって言う、悲劇、あ、違った。教訓のお話よねぇ〜?」

れ、麗先生っ!
それはもしや私のこと…⁉︎

ま、周りの男子、みんな凍りついてるのは、気のせい…⁉︎

「あ、そうそう、話は変わるけど…」

あ、変わるんだ。
よ、良かった。
居たたまれないよ…。

なんか妙にドキドキしながら続きを待つ。

「灯里ちゃん、もう1人生徒増やせる余裕ある?」

……もう1人生徒……。
あ。フランス語の!

「…フランス語会話ですか?」

「ううん。中国語なの。
えと…なんか色々分かれてるのよね?
上海って言ってたと思う。」

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