ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語

「ええ。雅さんから連絡があって。
紹介してもらえないかって。
以前ね、嫁いで間もない時、灯里ちゃんの話をしたの。
うちの秘書さん、K大卒の才女で、語学が堪能なのって。
あ、ごめんなさい！
勝手に灯里ちゃんの話をしちゃって。」

「あ、いえ！ぜんぜん…」

「さっきも言ったけど、灯里ちゃんとお友達になれて嬉しくって。
ついつい、グループLINEで話しちゃったの。」

麗さんのお友達か…。
なんとなく、華やかそう……

「それでね、HASEGAWAって言うのは、あの老舗洋菓子店のHASEGAWA。
もちろん知ってるわよね？」

「はい、もちろんです！
院長先生が、最近出たMATCHAシリーズがお好きで。私もよく一緒にいただいてます。
まあ、お身体のために、なるべく少量で我慢していただいてますけどね。」

そうそう。
お菓子を隠すのが大変なんだから。

「それ！そのMATCHAシリーズがインバウンドの外国人に好評で、中国進出の話が出てるそうなの。
まだ話し合いの段階だけど、今後のことを考えて、日常会話くらいは出来る様になっておいた方がいいだろうって。」