ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
ベタすぎるからと言って舐めちゃいけない。
そこに基礎はちゃんと詰まってる。

「はい。
ただ、1つご提案があります。」

そう。
ここからが私の考えた実践で役立つ学習だ。

それは単純なこと。
基本的なやり取りは英会話で行うという事。
日本語は一切使わない。
質問も説明も英語で。
英語で学ぶ中国語だ。

実際、ビジネスの場では通訳が付く。
挨拶を終えれば個人的なお話は、結局万国共通の英語になるだろう。
中国の富裕層でちゃんと学のある人なら、英語は確実に出来るはず。
もちろん、長谷川さんだって、英会話は難なく出来るはずだ。
おそらく、留学経験もあるだろう。

一通り説明をして、英語で話しかける。

『ビジネスに直結して考えれば、日本語は必要ありません。わからない中国語を補うのは英語力になります。
もちろん、長谷川さんはビジネスで英語を使われると思いますので、そんなに問題はないですよね?』

『……その通りだね。
平田さんは、留学経験があるの?
すごく綺麗な発音だけど…。」

『いえ。
うちはそんな裕福でもなかったので、留学経験はありません。
ただ、大学には留学生がたくさん居ましたので、いろんな方言も聞き取る事はできるようになりました。中国語もフランス語も同様です。』

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