ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
『なるほど……
聞きしに勝る才女ぶりだ。
英会話は出来るけど、やっぱりずっと話してると緊張感はあるよね。
わかった。
もちろん君の提案でお願いするよ。』

よし!
長谷川さんは、きっと有能な方だ。
すぐに中国語もマスターするだろう。
同じ様な信頼のおける方に紹介いてもらえたら、これで私の副業の道は広がるだろう。
そして、長谷川さんは一回のレッスンに
かなりの好待遇の日当を提示してくれた。

『ところで、英語で会話するなら
“あかり”って呼んでもいい?
ミズ平田は堅いでしょ。』

『もちろん。
では私も“いつき”と呼びますね。』

『あかりってさぁ……
似てるって言われない?
髪、ピンクにしたら……」

……きた。
日本のアニメ好きの留学生に、私が大人気だった理由。
それは……。

『ちびうさ、ですよね?』

『そうそう!
うちの姪っ子達がさぁ、何故か人形を持ってて。未だに人気あるんだよね?海外でも。
留学生の中で人気だったんじゃない?
そのビジュアル。』

『……よくご存知で。
そうですよ。大人気でした。
コスプレ、何度させられたことか…
チビですからね。
必ず用意されてるのはピンクのウィッグにピンクのセーラー服でしたよ。』

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