不倫の代償

あっと言う間に 陽が傾く時間になる。


「私 車 取りに行かないと。」

「俺も。一緒に行こう。タクシーで。」


そう言われて 私は ハッとする。

「昨日のタクシー代。私 払ってない。」

と言うと

「そんなの いいよ。」

博幸は 驚いた顔をする。

「でも。私を 送ってもらったのに。」

「さっきのご飯で 相殺。」

と私を 膝に抱き上げる。


「雪穂は 可愛くて いい子だ。」

そっと 正面から キスされて。



昨日まで ただの上司だったのに。


たった一晩で 私の意識は 変わっていた。



もう 今までのような


普通の部下には 戻れない。



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