不倫の代償
博幸が 私の部屋に来て まもなく2ヵ月。
夏季休暇が 近付いた頃。
弁護士に会って 帰ってきた博幸。
「雪穂。大事な話しがあるんだけど。ちょっといい?」
博幸の深刻な表情から
私は 別れを告げられると思った。
「うん。コーヒー淹れようか。」
少しでも 先延ばしにしたい私。
「ああ。お願い。」
博幸は 何かを考える表情のまま。
いつもより 丁寧に
ゆっくり コーヒーを淹れて。
いつも 博幸の隣に 腰を下ろすけど。
コーヒーのカップを手に持って
私は 博幸の正面に 座った。
「んっ?」
不審気に 博幸は 私を見る。
「大事な話しでしょ?ちゃんと聞くね。」
と言う私に 博幸は 優しく微笑んだ。