不倫の代償

「あれ。支店長。すみません。」

アパートのソファで 目を覚まして。

床に座って スマホを見ている 田所支店長に 驚く。


「目が覚めた?」

田所支店長は すっと立ち上がって 水を持ってきてくれた。

「あっ。すみません。」

「珍しいね。戸村さんが こんなに酔うなんて。」

水を飲んで すっかり酔いの醒めた私は 恥ずかしさで 俯く。

「本当に すみません。支店長に 迷惑かけちゃって。」

「ハハ。俺は 大丈夫。気にしなくていいよ。」

「今 何時ですか?」

「2時過ぎかな。」

「そんなに?ホント ごめんなさい。」


冷静になった私は 支店長が どうやって帰るのか 心配になる。


そもそも どうして支店長が ここにいるのか。

私は それさえも 覚えていなくて。


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