不倫の代償
8

8月の終わり頃

同期の小林君から 電話があった。

「久しぶり。戸村 元気。」

「うん。元気よ。小林君は?」

「俺も まあまあ。あのさ 急で悪いんだけど 戸村に 聞きたいことがあるんだ。ちょっと 会えないかな。」


その日の 帰りに 小林君と 待ち合わせをして

私は 博幸に そのことを 伝えた。


『わかった。食事は 心配しないで。俺は 雪穂が心配。』

『大丈夫よ。話し聞いて 早めに帰るね。』

私は 小林君に 誘われる理由が わからなかった。


待ち合わせた ファミレス。

小林君は 先に着いていた。

「ごめん。待った?」

「俺も さっき着いたんだ。戸村 久しぶりだな。」

「うん。急で びっくりしたよ。」

私達は 他愛のないことを話して。

運ばれてきた 食事をして。


「戸村。お前 田所支店長と 付き合っているの?」

小林君は いきなり私に聞いた。

「えっ。どうして?」

私は 予想外の言葉に 驚いて うまく返事ができない。




< 53 / 72 >

この作品をシェア

pagetop