不倫の代償
小林君と 話した時間は 1時間くらい。
私が 部屋に着くと
博幸も 帰ったばかりだった。
「おかえり 雪穂。早かったね。」
という博幸に 私は 抱き付いて 泣き出した。
「どうしたの?小林に 何を 言われたの?」
私を 抱きとめて 博幸は聞く。
駄目だ。言えない…
奥さんの親が 言ったことを
博幸が知ったら きっと傷付く。
泣きながら 首を振る私。
「いいから。ちゃんと言って。俺には 何でも話して。」
博幸は 私の頬を 両手で挟んで 聞く。
涙を流し しゃくり上げながら
それでも私は 首を振る。
「雪穂。いい子だ。もう泣かないで。」
博幸は もう一度 私の頭を 胸に抱く。
そっと 背中を撫でられて。
少しずつ 心が落ち着いてくる。
しばらく 博幸の胸で 泣いて。
大きくため息をついて 顔を上げたとき
「さあ。雪穂。ちゃんと話して。」
私は 博幸の言葉に 頷いた。
小林君に 言われたことを
博幸に 全部 話していた。