不倫の代償
「それで?雪穂は 俺と別れて 小林と 付き合うの?」
私の顔を 覗き込んで 博幸が聞く。
「博幸のバカ。意地悪。どうして そんなこと 言うの?」
私の目から 新しい涙が 溢れる。
「ごめん。ごめん。嘘だよ。泣かないで。」
もう一度 私の頭を 胸に抱く博幸。
「いいよ?雪穂が 小林と付き合っても。俺 雪穂を 取り戻すから。ストーカーになっても。」
「ホントに?」
「うん。本当。俺 雪穂を離さない。ずっと。死ぬまで。」
博幸は 奥さんの親が 言った言葉よりも
小林君の 告白の方が 気になるようで。
「あのね。私 奥さんの親に 博幸が 悪く言われていることが 悔しかったの。」
「それで泣いたの?」
驚いた顔の 博幸に 私は 頷く。
「馬鹿だなぁ。雪穂。俺なんかのために 泣くなんて。」
「博幸を 悪く言われるの 自分を責められるより 辛いもん。」
「ありがとう。雪穂。」
博幸は そう言って 私を 強く抱きしめる。
「明日は 美味しい物 食べに行こうね。さあ 雪穂。お風呂に入ろう。」
優しい目で 私を見つめて
博幸は 甘いキスをした。