不倫の代償
「あの…私 何か 言ってましたか?」
「どこまで 覚えている?」
「タクシーに乗ったのは 何となく。」
「そのまま 眠っちゃって。ここまで 運んで。バッグから 鍵を探したよ。」
ここまで運んだって?
どうやって?
私 歩いたの?
それとも…
考えても 何一つ 覚えてなくて。
私の 戸惑いに 気付いた支店長は
「すごく軽かったよ。ちゃんと食事してる?」
と笑いながら 言った。
嘘でしょう?
私 ここまで 抱かれて来たの?
それで 支店長は 心配して
今まで 居てくれたの?
恥ずかしさに 頬を染めて
「どうしよう…私。ホント 恥ずかしい。」
私が言うと 支店長は 優しく笑った。