不倫の代償

「あの…私 何か 言ってましたか?」

「どこまで 覚えている?」

「タクシーに乗ったのは 何となく。」

「そのまま 眠っちゃって。ここまで 運んで。バッグから 鍵を探したよ。」


ここまで運んだって?

どうやって?

私 歩いたの?

それとも…


考えても 何一つ 覚えてなくて。

私の 戸惑いに 気付いた支店長は


「すごく軽かったよ。ちゃんと食事してる?」

と笑いながら 言った。


嘘でしょう?

私 ここまで 抱かれて来たの?


それで 支店長は 心配して 

今まで 居てくれたの?


恥ずかしさに 頬を染めて

「どうしよう…私。ホント 恥ずかしい。」


私が言うと 支店長は 優しく笑った。



< 6 / 72 >

この作品をシェア

pagetop