不倫の代償
9
私は 徐々に 結婚へのこだわりを 失くしていた。
一緒に暮らして。
信頼し合って。
お互いが 相手を思いやる生活。
たとえ 籍が入っていなくても
私達は もう 夫婦になっている。
「雪穂。今度 弁護士と会う時 雪穂も一緒に 行こう。」
私は 博幸の言葉に驚く。
「博幸の 離婚の相談に 愛人が同行するなんて。変でしょう?弁護士さん 呆れちゃうよ。」
「いや。弁護士から 言われたんだ。一度 新しい奥さんも 一緒にどうぞって。」
「新しい奥さん?」
「うん 雪穂のこと。これからの俺達が 納得して 一番良い方法で 話しをまとめたいって言ってくれて。」
「ホントに 私も行っていいの?」
「もちろん。俺じゃ よくわからないこととか 雪穂からも 質問してみて。俺たちの 将来のことだから。」
博幸の言葉に 私は 頷く。
” 俺達の将来 ” って 博幸は 言った。
私達に 将来は あるの?