不倫の代償
10
「パーパ。早くー。」
「コラッ。モモちゃん。待てー。」
3才になった 長女の萌々香を 追い駆ける博幸。
「ほーら。捕まえた。」
抱き上げて ” 高い高い ” をしてもらい
萌々香は キャッキャッと笑う。
「モモちゃん。あんまりパパをイジメちゃ駄目よ。パパは 若くないんだから。」
萌々香を抱いた博幸に 私は そっと腕を絡める。
「ひどいなぁ。ママは。今夜 お仕置きだよ?」
博幸は ニコっと笑う。
いつもの休日。
家族で過ごす 幸せな時間。
私達が 結婚していないなんて 誰も思わない。
どこにでもいる 仲の良い家族だから。