不倫の代償
「気にしなくていいよ。俺が 好きでいたんだから。」
「そんな。だって…」
「こんな可愛い子 1人で 置いて行けなかっただけ。」
支店長の言葉に 私は 驚いて 顔を上げる。
「水 もう少し飲む?」
優しく聞かれて 私は頷く。
気まずくて。間が持たなくて。
支店長は 私から グラスを受け取ると 身軽に 立ち上がる。
「戸村さん。綺麗に住んでるね。」
そう言って 私の隣に 腰を下ろし。
「俺がいない時に こんなに酔ったら 駄目だよ。」
と 私に水を差し出す。
酔いは 醒めたはずなのに。
私は 状況が 理解できなくて。
水を 一口飲んで グラスを置くと
支店長に 抱き締められた。