揺り揺られつつ
そのときだった。

「お。起きたか。おはよーさん。」

突然声が降り掛かってきて体がビクッと反応する。

声のする方へ急いで顔を向ける。

声の主は隣の席の、瀬戸 誠也だった。

「お前すごい幸せそうに寝てたから起こそうか迷ったよ。

でも真面目そうじゃん?

あとあの先生怒ると超怖いから一応起こしとこうと思って。

この前も居眠りしてた奴怒られてたし。

迷惑だったらごめんな。」

言葉がマシンガンのように飛んできて一瞬たじろいだが起こしてくれたのだ。

お礼は言わないと。

「全然迷惑じゃないです。むしろありがとうございます。助かりました。」

相手の顔が曇った。
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