好きを繋ぐメロディー
それなのに...
「遅いな。健太くん......」
私の家に健太くんが遊びに来る日。
約束した時間を過ぎてもキミは一向に現れない。
心配になった私は、健太くんにメールを送るけど返信が来ない。
道にでも迷ったのかな?
いや、何十回も来たことあるし道に迷うわけがない。
そんなことを頭の中で考えていると......
♪ブーブー
一本の電話がかかってきた。
「健太くんかな?」
画面を見ると、ピアノの先生。
つまり、健太くんのお母さんから。
どうしたんだろう?
通話ボタンを押し耳に当てた。
『もしもし? 色葉ちゃん?』
「はい。そうですけど......」
焦り声で話す彼のお母さん。
なんだか妙な胸のざわつきを感じた。
『健太が! 健太が、事故に遭って意識不明の重体なの!』
「えっ?」
健太くんが事故に遭った?
『早く病院に来て!』
「わ、分かりました!」
病院先を教えてもらい急いで向かう。