人魚姫〜もしも人魚姫と王子様の立場が逆だったら〜【不定期更新中】
ある日のことでした。
「人魚、海の上の世界はすごいわ」
1番上のお姉さんが人魚に陸上の世界を教えてくれたのです。
「綺麗な声で鳴く鳥という生き物がいて」
「花という美しい植物もいるの」
「青くて広い空というものがあって」
「それは夜になるとキラキラ光るのよ」
人魚はお姉さん達の話を興味津々に聞きます。
そのうち海の上の世界に夢を見るようになりました。
きっとそれはとてもとても素晴らしい世界で、そこにいる生き物も素晴らしいんだろう。
どんなものなのだろう。
と、次から次へと疑問が浮かび上がりました。
やがて、15歳になって陸上の世界を見ることがいつしか彼の夢になっていました。