レーセル帝国物語 皇帝陛下に見初められた侍女見習い
ということは,ポール兄さんにはこの先しばらく,非番の日がないってことか。
しばらく会えないのは淋しいけれど,来週からは同じ城内で働けるんだもの。ほんの数日,淋しいのをガマンすれば済むことだ。
――それにしても。
「皇帝陛下って,どんな方なのかしら?」
兄さんが宿舎に戻って行ってから,わたしは呟いた。兄さんの話を聞いた限り,陛下の人物像は謎だらけだ。
わたしも,お名前くらいは知っている。レオナルド・エルヴァ―ト陛下。わたしが歴史上で最も尊敬する女性皇帝リディア・エルヴァ―ト陛下の直系の子孫にあたる方で,彼女の夫デニス氏が隣国スラバットの血を引いていたため,そのご子息ジョルジュ陛下以降の皇帝陛下の瞳はみな茶色いという。
しばらく会えないのは淋しいけれど,来週からは同じ城内で働けるんだもの。ほんの数日,淋しいのをガマンすれば済むことだ。
――それにしても。
「皇帝陛下って,どんな方なのかしら?」
兄さんが宿舎に戻って行ってから,わたしは呟いた。兄さんの話を聞いた限り,陛下の人物像は謎だらけだ。
わたしも,お名前くらいは知っている。レオナルド・エルヴァ―ト陛下。わたしが歴史上で最も尊敬する女性皇帝リディア・エルヴァ―ト陛下の直系の子孫にあたる方で,彼女の夫デニス氏が隣国スラバットの血を引いていたため,そのご子息ジョルジュ陛下以降の皇帝陛下の瞳はみな茶色いという。