レーセル帝国物語 皇帝陛下に見初められた侍女見習い

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――気持ちを切り()えて数日後。任命式の日がやってきた。
「イライザ・バルディ。本日をもって,正式にあなたを,レーセル城所属の侍女見習いに任命致します。誠心(せいしん)誠意(せいい)()くし,皇帝陛下と皇后さまにお仕えなさい」
女官長のナタリア・エトルリア様から任命状を受け取ったわたしは,感無量(かんむりょう)の笑顔で返事をした。
「はい。精一杯(つと)めます!」
子供の頃からの夢が(かな)った。このお城でお勤めができるだけで,わたしは充分(じゅうぶん)(うれ)しい。
でもこの後,もっと嬉しいことが……。
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