レーセル帝国物語 皇帝陛下に見初められた侍女見習い
2・恋は突然に
――わたしがレーセル城に仕え始めてから,二月が経った。
正式な女官さまの仕事は朝から夕方までぶっ通しだけれど,わたし達見習いはそれを二交替でやっていて,必ず二人で一組になる。
今日は久しぶりに,アリサと同じ勤務時間になった。
「ねえ,イライザ。あんたと兵士のポール様ってどんな関係なの?」
今日は窓拭きをしていたアリサが,唐突に掃き掃除中のわたしに訊いてきた。
「えっ?どんな,って。幼なじみよ。血は繋がっていない兄妹みたいなものかしら」
わたしと兄さんは今でも城内でちょくちょく会っているし,アリサもそのことはよく知っているはずなのに。今更どうしてそんなことを訊くんだろう?
「あら。あたしはてっきり,二人は恋人同士なのかと思ってたわ」
正式な女官さまの仕事は朝から夕方までぶっ通しだけれど,わたし達見習いはそれを二交替でやっていて,必ず二人で一組になる。
今日は久しぶりに,アリサと同じ勤務時間になった。
「ねえ,イライザ。あんたと兵士のポール様ってどんな関係なの?」
今日は窓拭きをしていたアリサが,唐突に掃き掃除中のわたしに訊いてきた。
「えっ?どんな,って。幼なじみよ。血は繋がっていない兄妹みたいなものかしら」
わたしと兄さんは今でも城内でちょくちょく会っているし,アリサもそのことはよく知っているはずなのに。今更どうしてそんなことを訊くんだろう?
「あら。あたしはてっきり,二人は恋人同士なのかと思ってたわ」