レーセル帝国物語 皇帝陛下に見初められた侍女見習い
「――陛下が迎えられる側室が,ついに決まったそうです」
……えっ?それはとても喜ばしいことだけれど。ナタリア様は,どうしてそれを,いち女官見習いでしかないわたしにお話しになったのかしら?
「まあ!それはおめでたいことですわ!……それで,陛下がお見初めになったお相手はどんなに美しいご令嬢なんですの?」
「何を寝ぼけたことを言っているのですか?あなたよ,イライザ」
「…………は?今,何と仰いました?」
わたしは耳を疑った。聞き間違いよね?
「だから,あなたが側室として,陛下に見初められたと言ったのよ,イライザ」
噛んで含めるようにもう一度仰ったナタリア様のお言葉は,今度こそわたしの聞き間違いなんかじゃなかった。
「ええええ~~~~っっ!?」
わたしが側室!?嘘でしょう!?
……えっ?それはとても喜ばしいことだけれど。ナタリア様は,どうしてそれを,いち女官見習いでしかないわたしにお話しになったのかしら?
「まあ!それはおめでたいことですわ!……それで,陛下がお見初めになったお相手はどんなに美しいご令嬢なんですの?」
「何を寝ぼけたことを言っているのですか?あなたよ,イライザ」
「…………は?今,何と仰いました?」
わたしは耳を疑った。聞き間違いよね?
「だから,あなたが側室として,陛下に見初められたと言ったのよ,イライザ」
噛んで含めるようにもう一度仰ったナタリア様のお言葉は,今度こそわたしの聞き間違いなんかじゃなかった。
「ええええ~~~~っっ!?」
わたしが側室!?嘘でしょう!?