レーセル帝国物語 皇帝陛下に見初められた侍女見習い
「――それじゃ,オレはそろそろ宿舎に戻らないと。明日も朝から仕事だからな」
「えっ,もうそんな時間?……あ,ホントだ」
懐中時計を開いて時刻を確かめたら,もう夕方の五時になるところだった。宿舎での夕食は六時からと決まっている(と,ポール兄さんから聞いたことがある)。この家は帝都レムルから少し離れているので,お城まで戻るのに三十分はかかるのだ。
「イライザが正式に城で働くのは,確か来週からだったな?」
「うん,そうよ。来週の初めに任命式があるの」
お城の侍従や女官は年に一回,試験によって任命されることになっている。
「じゃ,しっかりやれ。何かあれば,オレが助けるよ」
「うん。じゃあまた,お城でね」
「えっ,もうそんな時間?……あ,ホントだ」
懐中時計を開いて時刻を確かめたら,もう夕方の五時になるところだった。宿舎での夕食は六時からと決まっている(と,ポール兄さんから聞いたことがある)。この家は帝都レムルから少し離れているので,お城まで戻るのに三十分はかかるのだ。
「イライザが正式に城で働くのは,確か来週からだったな?」
「うん,そうよ。来週の初めに任命式があるの」
お城の侍従や女官は年に一回,試験によって任命されることになっている。
「じゃ,しっかりやれ。何かあれば,オレが助けるよ」
「うん。じゃあまた,お城でね」