幽霊高校生のまつりちゃん
第一幕 友達になりたい
ひとりでも平気だったのに、誰かと一緒にいることを覚えたらひとりが怖くなった。
「ねえ、若菜。今日は午前授業で終わりだし、これからランチしに行こうよ!」
憧れだった花丘女子高等学校に入学して三か月。友達もたくさんできた私は充実した毎日を送っていた。
「うん。いいね、行こう」
私こと日比野若菜がいつも一緒にいるグループは全員で四人。
ランチを誘ってくれた璃子を中心に、早織と谷野ちゃんとは、つねに行動を共にしている。
どちらかといえば自分の性格は根暗で明るいほうではないけれど、入学式の日に運よく璃子に話しかけてもらったことで私は今のグループに入ることができた。
「んでさ、うちの彼氏がお母さんに聞いてみないと旅行には行けないって言うんだよ? ありえなくない?」
「うわ、マザコンじゃん! 何歳だよ!」
「早織は男運なさすぎ。そんなヤツと別れたほうがいいって!」
三人の話題はもっぱら恋愛の話。ガヤガヤとしている店内で、みんなの話を聞きながら、飲み物をストローで啜っていた。
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