幽霊高校生のまつりちゃん
第二幕 幸せになりたい
きっと生まれた時から人生のランクづけは決まっている。
だから私が幸せになることなんて一生ない。
「お疲れさまでした」
朝から入っていたバイトを終える頃には、体は油の匂いでベタついていた。
私こと高橋亜美がこの飲食店で働き始めたのはちょうど一年前。
同級生たちが高校受験を控えている最中、私はがっつりと稼げるバイト先を探していた。
週五日で時給は能力に応じて上がっていく制度もあり、今では当初の時給より40円もアップした。
「亜美ー!」
店を出て歩いていると、誰かに肩を叩かれた。振り向くと同じ店でバイトをしている未来がいた。