幽霊高校生のまつりちゃん
「今日はこれから学校?」
「ううん。単位足りてるから、今はバイト優先で学校は週三くらいしか行ってない」
「夜間の学校って楽しそうだよね」
「楽しくないよ。隣の席の人なんて50代のおじさんだよ」
「えーそうなの?」
名字は同じでも、私と未来は全然違う。
私は経済的理由で、高校は夜間の定時制を選んだ。
夕方から4時間の授業を受けて、4年間で高校卒業の資格が得られるシステム。
クラスメイトの年齢はバラバラで、制服はない。
一応クラブ活動や生徒会はあるけれど、私は所属していないので、定時制での人付き合いはほとんどないに等しい。
中学からの友達はもちろん未来のように全員全日制。
連絡はたまに取ったりしてるけれど、生活のサイクルが違うので最近はめっきり会わなくなってしまった。
「亜美がバイト休みの日っていつ? 奢るからパンケーキでも食べにいこうよ」
定時制というだけで偏見を持たれることも少なくないのに、未来はいつも遊びに誘ってくれる。
今はオシャレとは無縁で、バイト三昧の日々だけど、未来と話していると忙しさも忘れてしまうくらい癒される。
「じゃあ、また明日ね!」
このあと用事がある私に合わせて、未来も早めに家へと帰るそうだ。