命の対価
例えば部活では女子マネージャーには絶対重いものを持たせないし、大変そうにしているのを見つけたら必ず声をかけている。
なんかたまにやりすぎというか、気を使いすぎな気もするが、それでも裕貴なりに女子に優しくしようと努力していて、そこを俺は尊敬している。
最初、こいつは絶対モテる奴だと思っていたが、なぜだか裕貴は女子と話せない。
あんなに思いやりがあって、困っている女子には躊躇わずに声をかけに行くような奴なのに、普通に女子と話そうとするとあからさまに緊張しておどおどしだす。
ほんとに、普通に女子と話すことが出来たらめっちゃモテると思うのだが……
なんて褒めるような事を言ったら調子に乗るだけだから絶対に言わないが。
「っていうか雅也は見た目通り女子が苦手じゃねぇか!」
随分遅いツッコミだこと。
「あの~……カレーをお持ちしました」
雅也の声量に驚き、横から恐る恐る近づいてくるウェイトレス。
「あ、はい……」
雅也が目を逸らしながらそう言う。
裕貴は雅也以上にダメージを負っているらしく、何も言えずにそっぽを向いていた。
「……いただきます」
ウェイトレスが去ったというのにまだ何も無いところを見つめている2人を放って、俺はプラスチックのスプーンを手に取った。
なんかたまにやりすぎというか、気を使いすぎな気もするが、それでも裕貴なりに女子に優しくしようと努力していて、そこを俺は尊敬している。
最初、こいつは絶対モテる奴だと思っていたが、なぜだか裕貴は女子と話せない。
あんなに思いやりがあって、困っている女子には躊躇わずに声をかけに行くような奴なのに、普通に女子と話そうとするとあからさまに緊張しておどおどしだす。
ほんとに、普通に女子と話すことが出来たらめっちゃモテると思うのだが……
なんて褒めるような事を言ったら調子に乗るだけだから絶対に言わないが。
「っていうか雅也は見た目通り女子が苦手じゃねぇか!」
随分遅いツッコミだこと。
「あの~……カレーをお持ちしました」
雅也の声量に驚き、横から恐る恐る近づいてくるウェイトレス。
「あ、はい……」
雅也が目を逸らしながらそう言う。
裕貴は雅也以上にダメージを負っているらしく、何も言えずにそっぽを向いていた。
「……いただきます」
ウェイトレスが去ったというのにまだ何も無いところを見つめている2人を放って、俺はプラスチックのスプーンを手に取った。