命の対価
「幸介と雅也のクラスは何やるん?」

 1人違うクラスの裕貴が聞いてくる。

「俺たちは焼きそばを売るんだ」

「あぁ、見事に雅也の案が通ったよな」

 調理室を借り、出来立ての焼きそばを教室で提供する。

 使う具材や調理の仕方など、料理ができる女子達が考えてくれることになった。

 そして俺は2日ある文化祭のうち、2日目の午前の調理担当に決まった。

 正直料理など調理実習でしかしたことがない。

 だが調理班には必ず料理ができる人が入っているので、その人に頼りながらなんとか頑張ろうと思っている。

 雅也は同じ時間の接客担当なので、文化祭中、雅也とは一緒に回ることができるはずだ。

「裕貴のクラスはお化け屋敷だろ?」

「なんで知ってるんだよ! 雅也、お前まさか俺のことが好き──」

「んなわけあるか!!」

 食い気味に言い返す。

「この前裕貴と同じクラスのサッカー部の奴から聞いたんだよ」

 と、雅也の代わりに俺が説明をした。
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