命の対価
「雅也……お前のツンデレ、なかなかいいぞ」

 そう言いながら雅也の肩をポンポン叩く。

 おい、俺の話を聞いていたか?

「ほら、もうすぐ文化祭だし、いい出会いがあるかも」

 雅也が話を逸らそうと、必死になっている。

「いい出会いか~」

 裕貴は一瞬だけ考えてからまたすぐに口を開いた。

「やっぱり俺は雅也が──」

「もうやめてくれ」

 俺の脳内がそれ以上許さなかった。

「冗談だよ~、俺は女にしか興味ないよ?」

 こいつのは冗談に聞こえない時があるからほんと、やめてほしい。

 隣で雅也は完全に引いていた。
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