・:*+.私を愛して 。.:*・どんな形でもいいからと望んだ昔の私へ
私は、彼が見習いをしているという美容院の前までやって来た。

少し重たい扉をグッと押して中に入ると、
照明に照らされた観葉植物や鏡にハサミなど、美容院らしいお洒落な空間が広がっていた。


「いらっしゃい。」
そして迎えてくれたのはお洒落にメイクをした綺麗な男の人。
胸元の名札には店長と書かれていた。

「卯月乃亜(うずきのあ)と言います。三雲先輩の紹介で来たんですけど…。」

そう言うと、店長さんは両方の手のひらをパチンと合わせて
「三雲くんの言っていた子ね。彼ならあっちにいるわ。」
と言ってお店の奥を指さした。
< 12 / 83 >

この作品をシェア

pagetop